【ショットブラスト・エアブラスト設備のメンテナンスポイント】
ショットブラストおよびエアブラスト装置は、鋳造品・鍛造品・鉄鋼材などの表面にスチールショットやスチールグリットなどの投射材を高速で打ち付け、
スケール除去・バリ取り・表面粗化・塗装前処理 を行うための表面処理設備です。
鉄球や研削材を高速でぶつける構造のため、メンテナンス不足=処理品質の低下や安全リスクの増加 に直結します。
本記事では、ショットブラスト/エアブラスト装置のメンテナンスポイントと、集塵機の法定点検・火災対策までをまとめてご紹介します。
⚙️ ホイールブラストとエアブラストの違い
🌀 ホイールブラスト(機械式)
▲ホイールの遠心力で投射材を広範囲に飛ばす「ショットブラスト」装置。大型ワークにも対応可能。
ホイールブラストはモーターで回転するブラストホイールの遠心力を利用し、
広範囲に投射材を飛ばすことで大型ワークも効率的に処理できます。
一方で、ブレードやライナーなどの摩耗部品が多いため、定期的な点検と交換が欠かせません。
💨 エアブラスト(空気式)
▲圧縮空気を利用してノズルから投射材を噴射する「エアブラスト」。ピンポイント処理に最適。
エアブラストは圧縮空気を利用してノズルから投射材を噴射する方式です。
広範囲処理は得意ではありませんが、ピンポイントで狙った箇所を正確に処理できるのが強みです。
ノズルが摩耗すると噴射パターンが拡散し、処理ムラやエア消費量増加につながります。
→ ノズル・ホースの摩耗点検と交換が重要です。
🧩 ショットブラスト・エアブラストのメンテナンスポイント
🔩 ブラストホイール・ケーシング・ライナー部
ショットブラストでは、高速の鉄球を投射するため、内部構造の材質と摩耗管理が非常に重要です。
- ブレード・インペラ・コントロールケージの摩耗確認: 摩耗が進むと投射角度がずれ、処理ムラやライナー損傷の原因になります。
- ケーシング・ライナーの材質と摩耗状態: 一般的なSS400鋼板では短期間で穴あき・飛散事故につながるため、高硬度鋳鋼ライナーや耐摩材(Mn鋼、Cr鋼など)の採用が必要です。
ライナーが破損すると投射材が工場内に飛び散り、
床の滑り・目への飛散・人身事故の危険があります。
→ 定期点検とライナー材質の選定が安全運転の鍵です。
💨 エアブラスト系統
- ノズルの摩耗点検: 摩耗によりパターンが拡散し、ピンポイント性が失われます。
- ホース・配管の劣化: 静電気対策も含め、年1回程度の交換を推奨。
- コンプレッサー・ドライヤーの保守: 圧力低下や水分混入は品質劣化の要因です。
🔁 投射材の循環・搬送系統
ショットブラスト・エアブラスト装置では、投射材を再利用しながら循環させるため、搬送機構の点検も非常に重要です。
- スクリューコンベアの摩耗・詰まりの確認: 摩耗や異物混入で搬送が止まると、投射材が偏り、装置が停止する原因になります。
- バケットエレベーターのチェーン・プーリー・バケット破損確認: チェーンの伸びやバケットの割れは、投射材の滞留・循環不良につながります。
- 磁力セパレーター・スクリーンの清掃: 鉄粉や異物が溜まると分離効率が低下し、再利用材の品質が悪化します。
これらの搬送・循環系統の不具合は、投射材供給の不均一 → 処理ムラ → コスト増大 という悪循環を招くため、
定期清掃と部品交換が欠かせません。
💨 集塵機の法定点検と火災・爆発対策
ショットブラスト・エアブラスト装置のほとんどには集塵機が標準装備されています。
ブラスト処理では大量の粉じんが発生するため、集塵機は欠かせません。
この集塵機は「労働安全衛生法」により、年1回以上の定期自主検査(法定点検)が義務化されています。
点検を怠ると、
- フィルター内部の可燃粉じん堆積
- ファンやダクト摩擦による発火
- 静電気による粉じん爆発
といった火災・爆発事故につながる恐れがあります。
実際に全国で命を落とす事故も発生しており、年1回の法定点検は義務であり責任です。
マシンテック川上では、ショットブラスト・エアブラスト設備と集塵機を一体で点検・整備し、
火災・爆発のリスクを抑えた安全な運用環境をサポートしています。
🏭 マシンテック川上がご提案できること
- ブラスト装置の販売・メンテナンス・部品交換
- ブレード、インペラ、ライナー等の純正/代替部品対応
- 集塵機の法定点検・部品交換・清掃対応
- 火災・爆発対策の総合サポート
- スクリュー・エレベーター等の搬送系統メンテナンス
- 現場環境に合わせた表面処理プロセス提案
装置導入からアフターサービスまで、安心してお任せください。
まとめ
ショットブラスト・エアブラスト設備は、
投射材管理・摩耗部品点検・搬送系保守・集塵機整備をバランスよく実施することで、
安定した処理品質と安全な作業環境を維持できます。
株式会社マシンテック川上では、
表面処理設備の導入からメンテナンス、集塵機点検まで、
九州・福岡を中心にトータルサポートを行っています。
🔜 次回予告
次回は、ショットブラスト・エアブラストで使用される
スチールショット・スチールグリットなどの投射材の種類と選定ポイントについて詳しく解説します。
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